29人の団体客に予約を「バックレ」られた居酒屋店主がツイッターで窮状を訴えたところ、それを見た大勢の人が来店し、準備した料理が全部捌けた―。そんなニュースが”ちょっといい話”として紹介されたことがある。飲食業では、予約の無断キャンセルは大きな痛手だ▼ホテルや旅行会社はキャンセル料金を設定しているが、飲食店では馴染みが薄い。直前のキャンセルでも困るが、無断となると被害は拡大する。予約客に連絡先を聞いていても、かけた電話を無視されれば打つ手はない▼経済産業省の有識者委員会が先週、ノーショウ(無断キャンセル)対策レポートをまとめた。それによると、ノーショウが飲食業界に与える損害は推計年間2000億円。1日前、2日前のキャンセルも加えるとその発生率は6%を超え、被害額は1・6兆円にも及ぶという▼レポートは、ノーショウの解消で飲食店の生産性、収益率が改善されれば消費者にもメリットがあると指摘。商慣行是正が必要だとし、飲食店にはキャンセル料金の設定とその理由説明を促す▼常識的な結論だが、予約変更の連絡という当たり前のマナーを守らない輩が多いということでもある。そろそろ忘年会の日取りやお店探しが話題になる季節。無断キャンセルは、時には飲食店を閉店に追い込むことを知っておきたい。(18・11・5)

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