秋の味覚の代表格でもあるサンマだが、最近は不漁が続いている。今期の太平洋のサンマ漁は解禁以降、水揚げがかつてないほど少なく、そのため初水揚げでは昨年の2倍以上の高値となったそうだ。中国や台湾の漁獲が増えていることに加えて、生息海域の水温変化なども理由だという▼7月下旬から九州南部や四国など西日本で収穫された早場米も高値が続いている。作柄不良のなか、買い付け価格が引き上げられたことも影響した格好だ。早場米はこの時期の定番となっているが、サンマと同様に、気軽には手が出しにくくなっているようだ▼供給量や価格が安定しなければ、消費離れに拍車がかかる。ただでさえ食生活の欧米化で魚やコメ離れが懸念されている。スーパーでは必ずといっていいほど入り口付近にベーカリーが設けられるなどパンが充実しており、コメの価格をみて、ついついパンに流れてしまう気持ちも分かる▼とうとう消費税10%への引き上げまで後1カ月。酒類や外食を除く飲食料品は軽減税率が適用されるため、消費者の負担は変わらない計算になる。ただ、全体では消費者の財布の紐が堅くなるのは確実。それが高値のサンマやコメなどの消費の足かせになることで、旬の味覚、さらには日本の食文化に悪影響を与えなければいいが。心配しすぎだろうか。(19・8・29)

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