江戸時代は、男子が15歳の元服で若衆髷から前髪を剃り、女子は14歳前後から島田髷を結い成人を祝ったそうだ。今で言えば、中学の義務教育が終了したら大人として扱われた。現在より平均寿命が短かったとはいえ、若くして立場的に自覚を求められた▼2022年4月1日から成人年齢が18歳に引き下げられる改正民法が参院本会議で成立した。成人年齢の見直しは明治9年以来、146年ぶり。少子高齢化の進展を見据え、若者の自立を促し、社会の活性化につなげるのが狙いだという。『人生100年時代』において、今の若者が大人である時間がさらに長くなる▼健康被害やギャンブル依存症への懸念から、飲酒や喫煙、公営ギャンブルは20歳以上の基準が維持される。これには納得がいくが、ただ心配なのは成人年齢引き下げに便乗するケースだ。成人なら何でも許される、という誤解を与えないように周知徹底が必要であり、新成人を保護する仕組みも考えないといけない▼昔に比べて自立できない若者が増えているという。ただ、若い人にだけ自覚を強いるのは気がひける。ここは一つ、『老人年齢』に達した人たちにも意識改革を促したい。国は人手不足ひいては財源確保を理由に高齢者活用を謳う。後世のことを考えれば、やるべきことは多いのではないだろうか。(18・6・21)

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