人工知能(AI)をはじめとした新技術の発達が雇用にどういう影響があるかについて、全く違う見方がされている▼片方の説では、単純労働はもちろん、ホワイトカラーの仕事の多くも機械に取って代わられ、残るのは人間にしかできない特別な仕事だけになる。それに対し、AIの発達は新たな市場や仕事の創造につながる、もしくは経済成長を通じて仕事の量が増え、雇用そのものは変わりはないかかえって増えるというものがもう一つの説だ▼どっちが正しいかというと、実は双方とも正しいのではないか。社会構造そのものが大きく変化する課程ではその影響も流動的であり、ある時期には雇用が減少、またあるときは増加するといった事態も十分にあり得る。ITの普及で逆に紙の使用量が増えたなど笑い話としてよく言われた類いの現象と同じだ▼ただ一連の技術の発達は、人間がなるべく仕事をしなくて済むようにしようという目的のために進んでいるのだから、最終的には仕事の減少につながっていくことは間違いない▼これは、生活のために働くという必要性がやがてなくなるかもしれないという未来を示唆しているようにみえる。その時、経済的制約を取り払われることで人間は大いなる飛躍を遂げるのか。それとも、怠惰なる生活に陥って滅亡へと向かっていくのだろうか。(18・4・5)

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