英製薬大手アストラゼネカ(AZ)の日本法人は17日、2022年中に新型コロナウイルス感染症に対する抗体医薬品の承認取得を計画していることを明らかにした。米国では昨年末、ウイルスに曝露される前のコロナ発症を予防する抗体療法として緊急使用許可された。日本では承認申請に向けて厚生労働省との協議を進めているという。

 22年中の申請と承認を計画しているコロナ治療薬は「AZD7442」で、長時間作用型抗体のチキサゲビマブとシルガビマブを併用する抗体療法。日本では第3相臨床試験(P3)の段階にある。コロナ向けの抗体医薬は日本ではすでに複数の製品が実用化されており、AZ日本法人のステファン・ヴォックスストラム社長は同日都内で開催した会見で「先行事例を参考に普及体制を検討していきたい」と話した。

 AZはコロナ向けではワクチンも昨年承認を取得しており、治療薬にも事業機会を拡大する。22年にはコロナ薬に加えて、喘息治療の抗体医薬テゼペルマブや抗凝固薬の中和剤「オンデキサ」など新薬3製品を投入する計画。がん免疫薬「イミフィンジ」など既存薬の効能拡大は7件を見込んでいる。

 AZ日本法人の2021年売上高は4198億円と前年に比べて12・1%増えた。世界全体ではワクチンなどコロナ関連で21年に約41億ドルを売り上げた。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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