海の総面積は約3億6000万平方キロメートル。地球全体の7割を占める。その営みはさまざまな恩恵を与えてくれる。海流による熱の循環が気温の安定に寄与しているほか、酸素の供給、食料の供給源となっている。二酸化炭素(CO2)を吸収していることも大きな役割の一つ▼海は人類が産業活動によって排出しているCO2の31%を吸収し、大気のCO2濃度の上昇を弱めていることが分かった。日本を含む世界17機関の国際共同研究チームの成果▼各地域の観測船によって得られたデータを用いて1994年から2007年までの13年間、海が吸収したCO2の総量を評価した結果だという。その量は炭素換算で340億トンに達する。海面付近で溶け込んだCO2は海水の循環で海中へ運ばれ、深海で蓄えられる仕組み▼ただ、良いことばかりではない。海水の酸性化だ。炭酸カルシウムが溶けてしまうため貝やサンゴなどへの悪影響が懸念される。日本では目立った影響はないものの、過去にアメリカ西海岸で起きた養殖ガキの大不漁は海水の酸性化が一因とされる▼温暖化防止に向けて太陽光など再生エネルギーの供給は拡大傾向にあるが、まだまだ不十分。地球の「自然治癒」では追いつかないのだから、CO2の排出源である人類自らが一層努力することが求められる。(19・4・12)

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