米ユナイテッド航空の機内から乗客が警備員に引きずり出される動画がウェブ上に拡散したのは昨年5月。オーバーブッキングの調整が付かず、降りてもらう乗客を抽選で決めたところトラブルに発展、同社の対応に非難が集まった▼新聞やテレビは日本の航空会社ではあり得ないと報じた。キャンセル分を見込み多めに予約を受けるオーバーブッキングは航空業界の常識。しかし日本では緻密にシミュレーションし、座席不足が生じても対応策が整っているという解説だった▼が、それほど盤石でもないようだ。20日のJAL羽田~福岡最終便の欠航が物議を醸している。定員375に対し予約数は約400。25席の調整に手間取って福岡空港の門限に間に合わなくなり、欠航を余儀なくされた▼同社の規定では、翌日便に振り替えた協力者には2万円(かマイル)と宿泊費が支給される。予定を変更できないビジネス客が多い便だが、振り替え条件に魅力を感じる乗客も少なからずいただろうにと思える▼オーバーブッキングの問題ではなく、調整不調が欠航の要因だろう。異例の大失態で、足止めされた400人はもとよりJALも打撃を受けた。今まで上手く調整できたことは、これからも上手くできる保証にはならない。危機管理の基本だが、誰もが嵌まりがちな陥穽でもある。(18・11・26)

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