米朝会談が行われたシンガポールには独特の英語表現がある。”see how ラ”はその一つ。まあ様子を見ようという時に用いられる便利な言葉だ。正確には”Let s see how it goes”だろう▼その米朝会談の主役のひとり、トランプ大統領は、あまり高い評価は得られていないようだ。とくに米朝会談報道で大フィーバーしたマスコミには手厳しい論調が多い▼実際、米国が求めていた北朝鮮の完全かつ、検証可能で、不可逆な非核化には程遠い合意であったことは否定のしようがない。日本が最も困るストーリー、北朝鮮が事実上の核保有国となり、経済制裁が緩和される事態もありうるかも知れない▼だが一方で、「儒教精神の強い北朝鮮では、祖父(金日成)、父(金正日)が推し進めた核開発路線を否定するのではなく、この米朝会談を契機に核開発は完成したとし、経済優先、普通の国になるという路線選択もありうる」とするNHKの特派員の意見に期待していけないことはない▼少なくとも、北からミサイルが飛んでくるという恐れは当面遠のいたことは事実だ。日本政府は”see how ラ”とはいかないだろう。だが、戦争よりは対話がいい。絶対にいい。そして事態は”Let s see how it goes”しかないことも事実だ。(18・6・15)

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