高吸水性樹脂(SAP)で国内各メーカーが設備投資を継続している。SAPは主に紙おむつの吸収体として使用されており、紙おむつの生産量とほぼ比例して成長を遂げている。紙おむつは経済発展により、その国の1人当たりの国内総生産(GDP)が増加するのにともなって市場が拡大するといわれ、SAPは今後も安定した需要が見込まれる。2018年は日本のSAPメーカーの新たな製造設備が相次ぎ稼働する予定だ。
 SAPの17年の世界市場規模は推定260万~270万トン。日米欧で安定した需要を形成しているうえ、中国、東南アジアなどアジアのほか、中南米といった紙おむつの普及が進む地域へと着実に市場を広げており、引き続き年率5~7%の成長が予測されている。
 新興国に比べて成長の鈍化が懸念される日本などでも今後、高齢者を対象とする大人用紙おむつ向けの伸びが予想されている。こうした介護関連需要に加えて、ペット用の紙おむつ・衛生材料用途でも安定した需要が見込まれる。
 市場の拡大に合わせ、世界で確固たるポジションを確立している国内SAPメーカーは設備増強を実施している。日本触媒は今年、ベルギー拠点で年産10万トン設備を稼働する計画。これによりグループ全体の生産能力は同71万トンに拡大、トップサプライヤーの地位をより確固なものとする。さらに同社は、SAPの主原料であるAAについても今年、ベルギー拠点で同10万トン設備の稼働を予定しており、AA・SAP垂直統合の強みを生かし競争力強化を図る。
 住友精化は、韓国拠点でSAPの生産能力を同11万8000トンに倍増する。今年末稼働を目指しており、今回の増設で同社グループの総生産能力は同44万5000トンに拡大する見通し。三洋化成工業と豊田通商の合弁会社であるSDPグローバルは今秋、マレーシアで新製造拠点の稼働を予定する。当初の生産能力は同8万トンを計画、これにより同社グループにおける総生産能力は同44万トンに増える。マレーシア拠点には最新技術を導入。高い事業競争力を発揮しながらグローバル規模での最適供給を目指す。
 確実な需要の伸びが見込まれる一方、原材料価格の上昇やグローバル規模での競争激化など各社を取り巻く環境は厳しさを増している。新興勢力の技術力は着実に高まっており、日本勢も、確固たる技術優位性を確保することが年々難しくなりつつあるようだ。グローバルでの安定供給体制や技術対応力といった高い総合力が今、SAPメーカーに求められている。

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