2011年の東日本大震災、そして今回の新型コロナウイルスの大流行。未曾有ともいえる危機が到来するたびに人々は知る。危機は想像をはるかに上回る規模とスピードで社会を襲い、昨日までの平和な暮らしを一変させてしまう▼危機に直面したときの人々の行動についても知る。必要以上に買い占める人。自分が感染源になる可能性に思いが至らず行動する人。政治家や官僚、自治体などの対応に非難を浴びせる人。誰にでも、どんな組織にも限界があると分かってはいる。それでも人々は、非難せずにはいられない。とくに、危機の混乱状態にうまく対応できないリーダーに対し人々は辛辣だ▼新型コロナの感染拡大以後の世界は、それ以前の世界には戻らない。そんな主張が増えてきた。しかし、何がどう変わるのかについて現時点で正確には分からない。ハッキリしているのは、これからの人々の行動によって、以後の世界が変わってくるということだ。一日も早く平和な日常を取り戻すための行動をとること。そして、非難や自己防衛だけではなく、信頼し、連帯し、助け合うこと▼未曾有の危機に見舞われたとき、最初は混乱したけれど、人々がよく考え、連帯し、助け合うことで厳しい日々も乗り越えられた。コロナ以後の世界でそのように語り合えるようになることを祈る。(20・4・14)

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