「ボカロ」と言われてもピンと来ないが、若者の間では一般的、小学生の高学年でさえ知っている子は多いという。「ボーカロイド」の略であり、ヤマハが開発した音声合成技術とその応用製品の総称。メロディーと歌詞を入力してキャラクターに歌を歌わせる音楽ソフトの名称のことを指す▼同社から音声合成技術のライセンスを受けたソフトウエア各社が相次ぎ参入し、10年以上前に登場したバーチャルアイドルが大ヒットしたことで広く普及した。そういえば、そんなキャラクターが歌って踊る様子をテレビで何度か観たことがある▼手軽にダウンロードするだけで音楽が手に入る時代。電車の中でもスマホでコンサートの様子を観ることができる。年配者が付いて行けないぐらい、音楽を表現する手段は確実に広がっている。子供たちも気になる歌は動画ですぐに調べられ、覚えることができる。昔のように、ラジカセの前でじっと待機しておく必要はない▼ライブハウスでの新型コロナウイルス集団感染が疑われ、また感染拡大を防ぐためコンサートや音楽イベントも相次ぎ中止に追い込まれた。楽しむ形態が広がるなかで、バーチャルに堪能できる手段は救いになるだろう。「ミュージックの日」(319=ミュージック)の今日を迎えるに当たり、いろいろと考えさせられた。(20・3・19)

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