日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会(武藤正樹代表理事)は、インドや中国に依存している医薬品原薬の安定供給体制を確保するよう加藤勝信厚労相に要望書を21日付で提出した。新型コロナウイルス感染症の蔓延にともなって「サプライチェーンに甚大な影響が発現しつつある」と指摘。「中長期的には原薬・中間体の日本製造回帰と東南アジアでの製造拠点確保によるリスク分散」を求めた。

 日本は原薬の約55%を海外から輸入し、中国やインドの割合が大きい。都市封鎖などの影響で国際航空便による原薬輸送が制限され、日本薬業貿易協会の調査では4月17日時点でインドからは32原薬、6中間体、化学品1品目の供給が止まった。中国も第2波感染のほか、米国などの経済圧力が懸念され、「安定供給に不安を持たざるを得ない」と指摘した。

 学会では後発薬だけでなく先発薬も含め全医薬品の安定供給のために、「短期的にはインドにおける原薬・中間体の製造と対外輸出による早急な安定供給再開の促進」を要望した。

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