連日、ニュースで取り上げられる新型コロナウイルスの動向。自衛手段でマスクを着用する人の姿がめっきり増えた。需要急増にともない品薄が深刻となっており、弊紙でもユニ・チャームなどが増産対応する記事を掲載した▼会社近くのドラッグストアを覗いてみると、「一御家族3点まで」の表示があったものの、マスクの棚はもぬけの殻。店員によると、五月雨式で入荷があっても午前中に売り切れてしまうという。これから花粉が本格的に舞う季節だけにマスクが手放せない人は増えるだろう▼品切れといえば古い話だが、トイレットペーパーを思い出す。1973年(昭和48年)に起きた第4次中東戦争勃発にともない原油価格が急騰。トイレットペーパーを買い占めする客が増えパニックとなった▼往時、近所のスーパーに親と一緒に長い行列に並んだ記憶がある。今になって振り返ってみても、原油とトイレットペーパーの因果関係がよく分からない。製紙メーカーが原料を溶かす燃料として重油を使っていたことは後から知ったが、それでも腑に落ちない▼東日本大震災の時も乾電池などが一時的に品切れ状態となった。マスクにせよ乾電池にせよ購買動機ははっきりしているが、フェイクニュースのようなガセネタで騒ぎが起きないとも限らない。くれぐれも気をつけたい。(20・2・7)

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