学生時代の友人が先日、夏の参院選東京選挙区に自民党公認で立候補予定の生稲晃子氏が街頭で演説している画像をスマホに送ってきた。生稲氏といえば、80年代後半の芸能界を席巻した「おニャン子クラブ」の元メンバー。活動期間はわずか3年間だったが中学生であったわれわれは、この写真をきっかけに、おニャン子クラブにまつわる話題でしばし盛り上がったのであった▼特別なファンであったわけではない。部活があったので平日午後5時からの『夕やけニャンニャン』は観ていない。それでも今なおこれだけの関心を呼ぶのだから、同氏の出馬で自民党が勢いを増すことは、まず間違いがない▼立憲民主党と国民民主党が今度の参院選での略称をいずれも「民主党」に決めた。先の衆院選に続くもので、有権者の混乱を放置するとは政党としてあるまじき態度と当初は憤りを覚えた。しかし、そのとき按分された「民主党」票が両党の獲得票の約24%も占めたのを知って合点がいった▼一方だけが変更すれば他方の総取りとなる。両党とも変更すると「民主党」票は死に票となって、与党を含む他党を利することになりかねない。そう考えると、両党がともに「民主党」とした判断は、元おニャン子参戦で活気づく与党に対する共闘といってもいいのではないだろうか。(22・5・12)

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