★DIC

 DICの2020年1~6月決算は、営業利益が前年同期比3・0%減の178億円だった。自動車向け材料、化粧品顔料向けをはじめ幅広い分野で出荷が落ち込んだ。経常利益は同18・1%減の156億円、純利益は同21・3%減の131億円。売上高は同10・7%減の3437億円だった。

 カテゴリー別の売上高は、パッケージ&グラフィックは米州・欧州でパッケージ用インキが堅調も国内で広告やチラシの需要が減少し、出版用インキの出荷が同22%減と大きく落ち込んだ。ジェットインキも14%減と苦戦した。

 カラー&ディスプレイでは機能性顔料が同18%減となるなど、幅広い用途で顔料の出荷が低調だった。TFT液晶も同15%減だった。

 ファンクショナルプロダクツでは5G関連や半導体分野で需要が増加し、エポキシ樹脂が同6%増と好調だったものの、全般的に落ち込んだ。

 通期業績予想を売上高7000億円、営業利益350億円、経常利益315億円、純利益150億円に引き下げた。

★日産化学

 日産化学の2020年4~6月期決算は、営業利益が前年同期比5%増の98億円となった。機能性材料部門でディスプレイ材料と半導体材料がともに好調を維持し、増益に寄与した。純利益は前年同期にあった投資有価証券売却益の反動で同2・9%減の76億円となった。

 売上高は同1・2%増の493億円だった。業績を牽引した機能性材料部門の売上高は同13・2%増の171億円、営業利益は同32・5%増の53億円。ディスプレイ材料「サンエバー」のタブレット・ノートPC向けと、半導体用反射防止コーティング材が伸長するとともに、固定費が減少したことで大幅増益となった。その他は、メラミンや特殊エポキシ「テピック」などが振るわなかった化学品部門と、動物用医薬品原薬フルララネルの出荷減が響いた農業化学品部門がともに減収減益。医薬品部門は高コレステロール血症治療薬「リバロ」原薬が後発品の影響を受けて低迷、営業損益が7000万円の赤字となった。

 通期では新型コロナウイルスの影響は限定的と想定し、期初予想を据え置いた。売上高2145億円、営業利益393億円、純利益308億円といずれも過去最高の更新を見込む。

★クレハ

 クレハの2020年4~6月期決算(国際会計基準)は営業利益が前年同期比44・7%減の25億円だった。廃棄物処理事業で前年同期に計上した約14億円の割安購入益の反動の影響を受けた。また、車載用リチウムイオン2次電池のバインダーやシェールオイル・ガス掘削部材向け樹脂などの機能製品事業が3億円の営業損失に陥ったことが響いた。一方、家庭用ラップなどを手掛ける樹脂製品事業は増益を果たした。

 売上収益は同1・7%減の314億円、純利益は46・2%減の20億円。

 同社が指標として重視するセグメント別営業利益の合計は同18・6%減となる25億円だった。うち7割超を樹脂製品事業セグメントが稼いだ。新型コロナウイルスの感染拡大下でも、外出自粛に伴う内食化の傾向を取り込み販売増を果たした。

 一方、シェールオイル・ガス掘削部材向けのPGA(ポリグリコール酸)事業は原油価格の急落の影響を受けた。前四半期には約15億円の売り上げがあったが、今期は約3億円にとどまった。

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