太陽ホールディングス(HD)の佐藤英志社長は、6日に開催した同社医療・医薬品事業説明会で同事業の規模を「中期的には500億円規模に育て上げたい」との考えを示した。現在、同社の医療・医薬品事業は長期収載品を中心とした医薬品の製造販売と製造受託(CMO)の2つで構成。とくにCMO事業をけん引役にさらなる成長を図り、5年以内の海外進出も目指す。

 電子機器用部材事業を柱とする太陽HDは、次の収益源として医療・医薬品に注目。2017年に太陽ファルマを設立し、18年に中外製薬からの製品承継を皮切りに順次拡充している。14品目の製造販売を行っており、アストラゼネカからも4品目の承継を予定する。

 昨年10月には第一三共から高槻工場(大阪府高槻市)を買い取り、太陽ファルマテックが担うCMO事業の基盤も固めている。21年3月期の医療・医薬品事業の売上高は265億円を見込む。

 中期的な目標として500億円を掲げるなか、CMO事業の拡大で達成を狙う。電子機器用部材事業で培ってきたスピード感、分析技術や機械化のノウハウなどを競合CMOとの差別化ポイントとにらむ。剤形研究所も立ち上げる計画で、「今期中に活動をスタートしたい」(佐藤社長)とした。

 また、CMO事業では海外展開も構想している。太陽HDが海外に有するネットワークを活用し、アジアを軸に事業拡大を進める。現地企業と組み、同社の製品をライセンスすることなどを検討する。「オペレーションがこなれている」(同)韓国や台湾、中国などが有力候補となる。

 これからの長期収載品の獲得方針については「出物次第」(富岡さやか医薬品事業本部長)との立場。十分な採算が見込める製品が対象になるが、「今後、数品目の上積みになる」(佐藤社長)との見通しだ。

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

HP独自・先行の最新記事もっと見る