アイロムグループは、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて6月にも非臨床試験を開始する。日本と中国のそれぞれで行い、マウスを用いた中和抗体誘導能試験などを実施する。結果を踏まえ、早ければ夏にも第1相臨床試験(P1)に入りたい考え。今後、当局との相談を重ねながら、治験のデザインなどを詰め、早期実用化に漕ぎ着ける。

 中和抗体誘導能試験、細胞傷害性T細胞(CTL)誘導能試験、感染防御能試験、毒性試験が非臨床試験の主な内容。中国で使うワクチンは既に製造しており、社内での品質検査を始めている。日本では必要な承認がおり次第、生産に取りかかるとしている。

 現在、アイロムは子会社IDファーマを通じ、日本では国立感染症研究所(感染研)と、中国では復旦大学付属上海公衆衛生臨床センターと新型コロナウイルスワクチンの共同研究を進めている。ワクチン開発には、IDファーマが基盤技術として有するセンダイウイルスベクターを活用。日本医療研究開発機構(AMED)の支援対象となっている。アイロムグループでワクチンを製造し、日中両国に供給する構想を描いている。

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