新型コロナウイルスの感染歴を調べる抗体検査について、厚生労働省は1000人分の検査結果を発表した。日本赤十字社が東京都や東北地方で集めた献血を使い、5社が販売している抗体検査の性能を評価した。東京都の陽性率は0・6%、東北6県は0・4%。だが新型コロナが存在する前の検体からも最大0・4%が陽性と判定された。同省は偽陽性が含まれる可能性が高いとし、1万人規模の抗体検査を開始して再評価する方針。

 4月に献血を行った東京都、東北6県の計1000人から得た血液を用いて、抗体検査の性能評価などを行った。その結果、東京都では500人中最大3人(0・6%)、東北6県では同2人(0・4%)が陽性と判定された。一方で、昨年1~3月に献血された血液で同じ検査を行ったところ、同2人(0・4%)で陽性判定が出た。厚労省はいずれの結果も偽陽性が含まれる可能性が高いとみている。

 評価に使われたのは、4社が販売するICA法の検査キットと、1社がCLIA法の検査試薬。企業名や製品名は公表されていない。

 今回の結果で正しい性能評価や感染状況の推計はできないため、厚労省は大規模な抗体検査を実施する。東京都、大阪府、宮城県の3カ所で、来月にも1万人規模の検査を開始する。

【外部リンク】厚生労働省発表 抗体検査キットの性能評価
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