丸紅は石油化学品のトレードビジネスを拡大する。30日、米国最大のエネルギー関連ミッドストリーム企業であるエンタープライズ・プロダクツ・パートナーズとプロピレンの長期引取契約を締結したと発表した。エンタープライズ社が米テキサス州で建設する製造プラントにおいてプロパン脱水素(PDH)法で生産するプロピレン。2023年度第1四半期から引き取りを開始する。

 今回の契約はエンタープライズ社との長期的な協業の一環となる。丸紅はすでにエンタープライズ社と米国産エチレンの輸出サービス契約を締結ずみで、今年1月には同社が所有するモーガンズポイントから米国産エチレンを初出荷している。

 今回、エンタープライズ社がテキサス州ヒューストンの西部に位置するモントベルビュー地区に新設するプラントにおいてPDH法で生産するプロピレンの長期引取契約を締結した。同プラントではシェールガス含有プロパンなどを原料にプロピレンを製造する計画。取引期間や引取量など具体的な契約内容は非開示。

 丸紅は今回の契約により、プロピレントレードの需給調整機能をさらに強化し、取引規模拡大につなげていく考え。丸紅はオレフィントレードを1970年代から展開。世界トレードシェア30%と世界トップクラスの取扱量を誇る。常時30隻の特殊専用船をチャーターし、それらを世界各地で網目のように運航し、供給元と需要家のニーズに柔軟に対応できる体制を築いている。

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