自宅のポストに「700MHz利用推進協会」のチラシが入っていた。普段ならゴミ箱に直行するところだが、気になって読んでみた。7月21日以降、テレビの映像が乱れる可能性があり、場合によっては工事の必要があるという▼700MHz帯はもともと地上アナログ放送で使われていた。地デジに移行した後、空いた電波帯を携帯電話4社が利用している。ただ、地デジの電波帯と近接しているためテレビの受信に影響が出た場合には、不要な電波をカットするフィルターなどを設置する対応をとるそうだ▼スマホの普及、それにともなうデータ通信量は増大する一方。われわれ利用者は通話やネット接続できることが当たり前と思っているが、それは思い込みに過ぎないことが2日未明に発生したKDDIの大規模通信障害で分かった▼影響を受けたのは最大3915万回線とされ、手持ちのauスマホは数時間にわたりつながらない状態が続いた。通信網が利用できないことで、企業活動にもさまざまなトラブルが発生した▼今回は通信設備の切り替え失敗が発端といわれている。その作業の難易度は分からないが、何らか善後策はあったはずなのに復旧には多くの時間を費やした。日々の仕事には思わぬ不具合の芽が隠れていて、万全の対策というのはあり得ないのだろう。(22・7・8)

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