国内外の予約客からキャンセルが相次ぎ、宿泊客が激減している箱根の宿が思い切った格安プランを打ち出して話題を呼んでいる。通常は1泊2食で1万6500円のところを3900円で提供する「まじでコロナウイルス勘弁して下さいプラン」だ▼5、6月の平日限定で売り出すと、700件の予約が殺到し3日間で完売したという。食事のメニューは豪華で各部屋に家族風呂がつくというから客にとっては相当なお得感だ。収益を度外視しても客を呼びたいという切実な宿側の事情がある▼2月26日に安倍晋三首相が大規模イベントの自粛要請を発して以降、学校が休校になり、スポーツ大会や文化行事も軒並み中止。大相撲、プロ野球も無観客である。同首相は先週、自粛期間をさらに10日程度延長するよう求めた▼一連の対応が妥当かはまだ分からない。ただ、あれもこれも自粛と言われ社会全体が萎縮してしまっている。この閉塞感をどう打ち破るか。自宅にこもるのは心身ともに不健康。やりたいことがあれば、それを行動に移すことだ。もちろん感染リスクの程度を考慮することが前提となる▼温泉に出掛けるのもその一つ。マイカーで行けば他人との接触は最低限に抑えられる。いい湯に浸かって旨い食事を堪能し、きれいな空気と自然に触れれば免疫力も高まるというものだ。(20・3・16)

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

精留塔の最新記事もっと見る