年末に冷蔵庫が故障した。たまに異音がしていたので気になっていたが、まったく冷えなくなった。無理を言って近所の家電屋さんにみてもらったが、コンプレッサーが寿命とのこと。24年もったのだから文句はいえない。年越しのための食材を買いにいく前だったのは不幸中の幸いか▼パソコンなどの電子機器はもっと短命。スマートフォンの基板修理サービス会社の調査によると、修理を依頼する半数以上が発売から3年以上経過した機種。4年近くなると、どこかしらおかしくなるのは不思議と思う人は多いはず▼それを裏付けるように故障の原因で最も多かったのは「落下」でも「水没」でもなく「自然に」だった。仕方ないといえばそれまでだが、ユーザーには割り切れなさが残るに違いない▼すべてのものに寿命があるとはいえ、なるべく長く使う努力をするべきだろう。再生可能エネルギーの主役の一つ、太陽光発電であればパネルの寿命は20~30年とされるが、普及が進んだことで廃棄・再利用が潜在的な課題となっている。メンテナンスの工夫によって長寿命化できないだろうか▼SDGs(持続可能な開発目標)に取り組む機運が高まりをみせるなか、ライフタイムはより重視される。長持ちする材料を開発する化学メーカーの役割はますます大きくなっていくはずだ。(21・1・8)

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