気候変動、食糧危機への対応といった社会的課題を解決する技術の一つとして注目されるのが、生物の機能を人々の生活に役立てるバイオテクノロジーだ。

 バイオベンチャー、ちとせ研究所(川崎市)の釘宮理恵最高執行責任者(COO)は「得意分野が異なる仲間がたくさん集まり、役割分担することが社会課題の解決に道を開く」と語る。同社の取り組みから、持続可能な社会を構築するヒントを探る。

■…バイオテクノロジーは持続可能な社会づくりにどのようなかたちで貢献できるでしょうか。
 「10月に入っても30度Cを超える真夏日が続くなど気候変動の影響は広がっており、このまま化石資源を使い続ければ人々の生活が脅かされる。気候変動を食い止めるために、化石資源の大量消費を前提とする社会構造を変える必要がある」
 「化石資源にはエネルギー源と、素材原料という2つの役割がある。エネルギーのクリーン化は既存電源も含めて技術がある程度出揃い始めている。一方で、素材原料としての化石資源をいかに置き換えるかは大きな課題だ。大量かつさまざまな機能の素材を、地球上にあるものを使いこなしてつくらなければならない。そのなかでバイオテクノロジーが貢献できる領域は少なくない。バイオマス(生物資源)で化石資源由来の素材をすべて置き換えることは難しいが、一部で重要な役割が果たせる」

■…2050年には世界人口は100億人に近づくともいわれ、食糧問題は一層深刻となります。続きは本紙で

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