新型コロナウイルスワクチンの廃棄問題が指摘され、各地で有効活用策が検討されている。コロナ収束の切り札とされるワクチン接種であり、早期に広く実施するためにも余すことなく使用してもらいたい▼もともと日本人には、もったいない、という概念がある。かつては不都合、かたじけないなどの意味で使用されていたが、今では物の価値を十分に生かし切れておらず無駄になっている状態、そのような状態にしてしまう行為を戒める意味で使われる▼その一例が食品ロスだ。なかでも頻繁に取り沙汰されるのが、2月3日の節分に食される恵方巻。2019年10月に「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行され、企業は生産体制を工夫し、予約購入なども推進された。今年はかなり廃棄が減ったようだ▼この7月で1年が経つプラスチック製買物袋の有料化も食品ロス削減に影響を与えているようにみえる。エコバッグを持ち歩く人を当たり前のように見かけるようになった。知らず知らずのうちに環境、資源循環という意識が定着しているのだろう▼コロナワクチン廃棄の問題と食品ロスやプラスチックごみ削減の問題は一緒にはできないが、いずれもサステナブルにつながるものである。小学校でもSDGsを学ぶ時代。大人達がしっかり考え、つなげていかなくては。(21・6・3)

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