25日が日曜日に当たるため、あすが初任給の新入社員は多いことだろう。リモートをふんだんに取り入れた入社式、研修を経て、初めて企業人としての対価が得られる。すぐに控える大型連休が過ぎ、五月病の時期を乗り切れば、希望に満ちた社会人生活が待ち受けているはずである▼彼らも経験した就職活動だが、国家公務員のなかでも、いわゆるエリートといわれる総合職の申込数者が減っているという。人事院によると2021年度は前年度より14・5%減り、5年連続の減少。しかも減少率は過去最大だった。長時間労働やキャリア官僚による相次ぐ不祥事が影響したとみられている▼その一方で、総合職試験を導入して以来、女性の申込者の割合が初めて4割を超えた。顕著だった男性の志望者数減少が影響したとみられる。決して民間企業の人気が高まったわけではないこれらの結果、複数の事態が重なった結末でもあるが、ずっとこのままでいくのか気になるところだ▼今年の新卒社員が入社前の学生だった時も、たまたまコロナ禍と重なり飲食店などのアルバイト求人が減っている。地方出身者は実家からの仕送り額の平均がコロナを反映して減少したというし、厳しい学生生活を味わった人も多いことだろう。その分、堅実かもしれないが。さて初任給は如何される。(21・4・22)

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

精留塔の最新記事もっと見る