ドリフターズの人気番組「8時だョ!全員集合」は、最盛期には40~50%の視聴率をたたき出し、お化け番組と呼ばれた。一定の年齢以上の日本人で、同番組を知らない人はいないだろう。24歳の若さで途中加入した志村けんさんは、いくつものネタで同番組に新風を吹き込み人気者となった▼30日、その志村さん死去のニュースが駆け巡った。陽性判明の報から1週間足らずだった。手厚い治療を受けられるであろう有名人も助からないという事実。この未知のウイルスの危険性について、誰もが考えたに違いない▼政府はいまの日本の状況について、ぎりぎり持ち堪えているとの表現を使っているが、それは何の役にも立たない。洪水で川が氾濫しそうなとき、ぎりぎりで持ち堪えているとアナウンスするだろうか。氾濫の危険が高いので直ちに避難せよ、と言うはずだ。次の事態、たとえば都市封鎖になったらどういう行動が必要なのか。それを明らかにして欲しい▼小紙では、新型コロナウイルスで予想される事態をいくつかの段階に分けて対応する。情報提供の任務を途切れさせないよう手を尽くすが、最悪のケースでは新聞発行が不可能となる事態も想定している。現実には起こらない、何としても避けたいと思い策定したのだが、もしやが頭をよぎる状況になってきた。(20・3・31)

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