アイデアは、人が何かを整理して考え、理解するときに生み出される。ある事がらを知り理解すると、なるほどそうか、ならばこうしたら良いのでは、となる。では、何かを整理して考える、の「何か」とは何か。それは情報である▼情報が価値を持つには、その情報が知られる必要がある。その仕組みをコンテンツと呼ぶ。書籍、新聞、テレビ、SNSのほか、展示会、セミナー、博物館での展示など、人に情報をもたらす仕組みがコンテンツである。スーパーのチラシもレストランのメニューもそうだ。そしてコンテンツは、与える情報が理解され易いように工夫されている▼しかし、情報をもたらすという意味で、もっとも基本的かつ重要な仕組みは、人と人との対話である。情報を整理し理解した人が分かり易い言葉でそれを語る。そうした人々が集まり対話する仕組みがあれば、素晴らしいアイデアが生まれる可能性が高まる▼さて、今の日本の課題は何だろう。明日の世界はどう変わるのだろう。コロナ対策と経済対策をいかに両立させ、デジタル化社会、循環型社会にふさわしい新しいかたちに転換するのか。求められるのは過去の前例やマニュアルではなく、新しい時代の新しいアイデアだ。少なくとも、分かりやすい言葉で情報を伝え得るリーダーが必要ではないか。(21・7・13)

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