インド政府は、抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン(一般名)」の禁輸を発表した。同剤は新型コロナウイルスに対する有効性が一部で報告され、米国など各国で需要が急増。インドでも同剤の原薬(API)や製剤が生産されているが、当面は国内需要を優先し、原則として輸出を禁じる。印政府は今月初め、同様の理由で他の原薬・製剤26品目も禁輸にしている。
 インド商工省傘下の外国貿易総局(DGFT)が25日付でヒドロキシクロロキンの輸出禁止に関する通知を発行し、即時適用した。APIとそれを含む製剤が対象。ただし特別経済区(SEZ)に進出する企業や、100%輸出指向型企業(EOU)が製造したものは対象外。印政府が人道的見地から緊急性が高いと判断した場合は、「ケース・バイ・ケースで決める」としている。
 ヒドロキシクロロキンはマラリアなどの治療薬として長年使われてきたが、新型コロナに対する有効性を示唆するデータが一部の臨床試験で報告され、需要が急増。インドでも感染リスクが高い人に対して予防的に投与することを政府が推奨している。
 米国では、品質問題により米国食品医薬品局(FDA)が輸入禁止にしていた印製薬企業の禁輸措置を特例的に解除し、同社がクロロキンを米国向けに生産できるような措置を講じていた。

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