インドの景況感が急速に悪化している。インド商工会議所(FICCI)が先月末に発表した総合景況感指数は51・5となった。今年4月から9月までの期待値を測定したもの。前回の74・2から過去最高の下げ幅を記録。その一方で厳しい都市封鎖が行われた1年前の42・9は上回った。

 3カ月に1度行っている調査で今回は4月から5月にかけて実施。今回はさまざまな業界から売上高が100億ルピーから6000億ルピーまでの企業約180社から回答を得た。

 アンケートでは、需要の低迷を指摘する回答者の割合が前回の56%から70%と大幅に増加した。新型コロナウイルス感染の第2波は家計への影響がとくに大きい。第1波よりも感染者数が大幅に増えており、失業したり、稼ぎ手を失ったりした多くの世帯では、収入に恒常的な障害が生じているという。第1波ですでに過去の貯蓄が取り崩されているため、需要の低迷は長く続くと予想されている。

 需要が低迷しているものの、企業は設備稼働率改善を報告した。第2波への政府の対応は第1波のような完全なロックダウンではなく局所的な制限にとどまったため操業を続けている。

 こうしたなか、原材料費の高騰が企業を苦しめている。これを障害にあげたのは前回の59%から65%に増え、上昇は4回連続となった。

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