オムロンは、新型コロナウイルス感染症拡大防止に向け、世界の紫外線(UVC)光照射器搭載除菌ロボットの開発パートナーに自社製搬送用モバイルロボットを提供する。感染拡大で消毒作業ニーズが高まるなか、ロボットの活用による安定した消毒により、消毒作業にともなう感染リスクを抑制する。除菌ロボット向けとして、すでに10カ国以上のシステムインテグレーター(SIer)に計30台以上のモバイルロボットを販売、今後も感染症拡大予防策の一環として積極的に展開する。

 オムロンが通常工場での部品搬送などに用いるモバイルロボット「LDシリーズ」を提供し、SIerがUVC光照射器と組み合わせた除菌ロボットとして販売。4月ごろからフランスなど欧州圏のSIerから同社にモバイルロボット提供の打診があり、消毒作業を行う除菌ロボットの事例を見た他のSIerもモバイルロボットを除菌ロボットに組み合わせるケースが増えている。

 フランス、イタリア、スペインをはじめポーランド、トルコ、カナダ、ブラジル、シンガポール、韓国などのパートナー企業と共創中。日本ではパートナー企業を含め検討中で、オムロンが対応中のSIerは開発を検討中の企業を含め20社を超える。

 LDシリーズに安全機器や制御機器も組み合わせ、安全を保ちながら人がいないタイミングを把握してUVCを照射する。照射時間を設定し病室や学校、公共スペースを安全かつ効率的に消毒する。とくに医療現場では、消毒作業にともなう感染リスクが高く、人による消毒作業ではムラが発生するなど人為的な影響も懸念される。同社は、モバイルロボットの提供を通じて適切な消毒や除菌作業を支援し、清掃員や消毒作業者の安全と労働力確保に貢献する考え。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

先端材料・部材の最新記事もっと見る