カネカはアクリルフィルム用樹脂の生産能力増強を決めた。10日にオンライン開催した2022年4~6月期決算説明会で、田中稔社長が明らかにした。先日、欧州での増強を決めた変性シリコーンポリマーについても、さらなる投資に前向きな姿勢をみせた。

 アクリルフィルム用樹脂は液晶テレビが主力用途で、ディスプレイの大型化に連動して引き合いが強まっており、足元の販売も順調に推移する。今後の需要拡大も見込まれることから、大阪工場(大阪府摂津市)の製造能力を高める増強投資をこのほど決定した。投資額、増強幅などの詳細については今後、明らかにするという。

 田中社長はこのほか、変成シリコーンポリマー「カネカMSポリマー」で、さらなる設備投資に意欲をみせた。8日に、同製品で最大の生産拠点である欧州のカネカベルギーに50億円を投じ、生産能力を従来比1万トン増の年4万3000トンに高める設備投資を発表したばかり。これに加えて、「ベルギーの増強が完成する前に、次の一手を決定する可能性は十分にある」と述べた。

 MSポリマーはベルギーのほか、高砂工業所(兵庫県)、カネカノースアメリカ、カネカマレーシアの4極体制を敷いており、積極投資で接着剤基材用途やシーリング材用途で期待できる需要拡大を取り込む。

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