カネカは30日、新型コロナウイルスの4種類の変異株を同時検出可能なPCR検査キット(写真)を発売すると発表した。汎用のPCR検査装置に用いて、検査全体に要する時間は約1時間。既存のコロナウイルス検出用PCRキットに加え、今回の新製品上市でラインアップを拡充し、変異株の早期発見や感染拡大防止に貢献していく。

 発売したPCR検査キットは、遺伝子検査関連の技術を生かして開発した試薬を使い、一度の検査でスパイクたんぱく質の4つの変異を同時に検出できる。それらの変異の検出パターンにより、新型コロナウイルスの変異株であるアルファ株、デルタ株、カッパ株、ベータ株もしくはガンマ株を効率的に検出する。

 昨年発売した同社の新型コロナウイルス検出用PCRキットは、今年6月に体外診断薬の承認を取得し、医療施設、検査センターで広く使用されている。一方、変異株検査キットは現状、制度上体外診断用医薬品(保険適応)の対象製品となっておらず、新製品は研究用試薬として販売する。

 カネカは、新型コロナウイルスをはじめ感染症対策の研究開発を進める「インフェクション研究チーム」を立ち上げ、PCR検査試薬や検査キットのほか、DNAワクチン原薬・中間体の受託製造、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」の原薬供給、抗体医薬品の開発など新型コロナウイルス関連の課題解決に向け幅広く取り組んでいる。

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