AI(人工知能)創薬ベンチャーのカリウド・セラピューティクス(東京都)は、新型コロナウイルス感染症に治療効果を見込める既存薬88種を見つけたと発表した。既存薬は別の疾患の開発過程で安全性などが確認ずみで、短期間で実用化できる可能性がある。提携先の長瀬産業を通じて製薬会社や研究機関に解析データを無償提供する。

 カリウドは医薬品を投与した際の生体反応情報を基に、人体の全分子、全細胞、全臓器がどう相互作用して治療効果や副作用が発生するかをAIで予測する技術を持つ。今回、コロナ重症化で起きる多臓器不全のサイトカインストームを対象にすでにコロナの開発候補薬となっている医薬品などを除いて解析したところ、有効性を期待できる既存薬88種を抽出した。

 88種の医薬品名はカリウドのホームページに紹介しており、開発を希望する製薬会社やアカデミアには選定前の医薬品リストや解析手法、候補品とした根拠のデータを無償で提供する。コロナ薬の探索事業は京都府などの補助金を活用して実施した。

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