米ギリアド・サイエンシズは26日(現地時間)、新型コロナウイルス感染症に対する抗ウイルス剤「レムデシビル(一般名)」の第3相臨床試験を開始すると発表した。アジアを中心に国際共同治験として2本実施し、計1000例の患者を組み入れる予定。日本も治験に参加する。3月から症例登録を始める。同剤を用いた新型コロナ対象の臨床試験は米中の医療機関などですでに行われているが、開発企業主導のグローバル治験も始まる。
 重症患者約400例を対象とする試験と、中等症までの患者約600例を対象に試験を行う。現在の標準治療に上乗せする形でレムデシビルを5日間または10日間投与して有効性、安全性を検証する。主要評価項目は、重症患者の試験は発熱や酸素飽和度の改善度、中等症患者の試験は退院した患者の割合。アジアを中心に症例を組み入れ、日本も参加する。3月から症例登録を始める予定。ギリアド日本法人によると、第3相試験で良好なデータを得られた場合、新薬として当局に承認申請するかは未定。
 同剤を用いた新型コロナ対象の臨床試験は、中国や米国の医療機関主導で行われている。これらの試験結果は4月にも明らかになる見通し。
 レムデシビルはギリアドがエボラ出血熱などの治療薬として開発。新型コロナ対応で需要が急増しているため、エボラ用に生産していた備蓄分を使いながら増産を急ぐ。

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