クラボウは新型コロナウイルスの抗スパイクたんぱく抗体を確認する検査試薬キット「ラピッドフィールズ S+N IgG」を開発したと発表した。ワクチン接種後の抗体の保有状態を15分以内に確認することができる。研究用試薬として13日から国内の医療機関や衛生研究所などに販売を開始した。

 メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンは、ウイルス表面にあるスパイクと呼ばれる突起「Sたんぱく質」を標的とし、抗Sたんぱく質抗体を体内に産生する。クラボウは、2020年3月から展開している感染既往を調べる抗Nたんぱく質抗体専用キットを改良し、抗Sたんぱく質抗体にも対応した。

 キットは専用試薬のほか、試験ストリップやピペッター、結果判定カードなどで構成。特殊な装置や専門知識も必要ない。少量の血液で15分以内にSおよびNたんぱく質に対するIgG抗体を同時に検出する。抗体の保有状態と感染歴が目視で確認できる。

 ファイザー製のワクチンを接種した被験者57人による検証試験も国内で実施した。2回目接種後1週間~1カ月後の対定量検査陽性一致率は94・7%。うち、2週間~1カ月後の同率は100%だった。

 10箱(10テスト分)の税込み価格は3万8500円。21年度に5万箱の販売を見込んでいる。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

ライフイノベーションの最新記事もっと見る