5月下旬の暖かさとなった3連休。この陽気で衣替えを決断し、春夏ものの服装を求める人が多かったのだろう。郊外のアウトレット・モールは予想を超えて賑わっていた。外国人と思しき人をほとんど見かけなかったにもかかわらず、である。日本人の購買力もあながち捨てたもんじゃない▼近所の公園は輪をかけて賑わっていた。咲き始めた桜も目当てではあるが、本当の理由は閉じこもる生活を強いられるなかでの一時的な開放なのだろう。サッカー場ほどもある広場は子供連れの家族で埋め尽くされ、芝生を駆け回ったり、設置してある遊具によじ登ったりする子供達の歓声が響いていた▼そうした光景を日本人の危機感のなさ、と断じるべきか。あるいは諸外国に比べ新型コロナウイルスの影響が少ない証左、と捉えるべきか。少なくとも、外出禁止令や都市の封鎖などが実施されている国や地域との比較において、この国には今のところ平和な日常が残っている▼新型コロナが欧米先進国で猛威を振るっている。経済がグローバル化した今日、大きな影響を受けるのは、皮肉にもグローバル化が進み海外顧客への依存度が高い企業となろう。一方で、事態が収束した後に一気に成長する機会を得るのも、やはりグローバル化した企業であろう。そういうことを学ぶ機会でもある。(20・3・24)

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

精留塔の最新記事もっと見る