光触媒塗料の開発を手掛けるケミカル・テクノロジー(大阪府高石市、北村透社長)は、光触媒を用いた最終製品の提案を推進している。繊維会社と協力し光触媒を塗布したドアノブカバーが近日発売予定だ。光触媒は汚れの分解や殺菌効果なども知られ、最近では群馬大学発ベンチャーなどが光触媒塗料を銅繊維に塗布したマスクシートを開発。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、抗菌・除菌目的としての光触媒技術も広がりをみせ始めた。

 ケミカル・テクノロジーの光触媒塗料は、フッ素イオン交換樹脂「ナフィオン」と銅粉などによるもの。銅と光触媒の組み合わせで強い殺菌機能が得られる原理は3年前に特許を出願した。3月には第三者機関からインフルエンザウイルスに対する高い除去効果も実証している。

 ドアノブや手すりなど不特定多数の手が触れる個所はウイルスの接触感染を招く可能性もある。北村社長は「ドアノブなどステンレス鋼板は下塗りなしでは剤が接着しにくいため、光触媒を塗布した繊維製品は有効。半永久的な効果もあるので新型コロナ対策としても貢献できると思う」と話す。同社では飛沫感染の予防対策として空中散布型光触媒も提案する。

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