日本の冬はコタツでミカン。今年もすでにたくさんのミカンをいただいた。最近のミカンはその糖度の高さに驚く。3つ4つの房を薄皮ごと一気に口に放り込めば、溢れんばかりに果汁が広がる。薄皮の外側に付着している白いフワフワしたあれも、食物繊維を多く含んでいるらしいので取らずに食べてしまう▼一方で、コタツを出す機会は大きく減った。エアコンやファンヒーターで部屋ごと暖めてしまうので必要性が薄れてしまった。ソファや椅子に座った方が楽だから、そもそも和室を使わない。最後にコタツの足をクルクル回して組み立てたのは何年前のことだろうか▼物質は温度が高くなると多くの電磁波を出す。コタツのあの赤いランプが放つ赤外線も電磁波の一種だ。人体はその赤外線を吸収することで暖まる。焚き火にあたると暖かいのも同じ原理だ。エアコンが空気を暖める結果、人が暖かく感じるのとは原理が違う▼テレビショッピングで多用されるサーモグラフィーは、遠赤外線の量を測ることで温度を色分けする。ほら、掛け布団一枚でこんなに暖まる、などと青や緑だった手足が黄色やオレンジに変わる様子を示す。今度の年末年始は、そんな番組をコタツで見るのも悪くない。いつの間にかコタツでロング缶、熱燗となり、泥酔して寝てしまわないよう注意。(21・12・14)

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