塩野義製薬は27日、開発中の新型コロナウイルスワクチン「S-268019」のグローバル第3相臨床試験(P3)をベトナムで始めたと発表した。成人を対象に行い、目標症例数は最大1万。2023年内の終了を目指す。感染が確定した同感染症発症率を主要評価項目とし、同ワクチン2回接種後における発症予防効果と安全性をプラセボ投与群との比較で評価する。

 ベトナム政府の支援の下、P3を実施する。同国とは11月に感染症対策に関する基本合意書を交わし、新型コロナウイルスワクチンの臨床試験の促進などで一致している。また、同ワクチンの製造技術を現地企業にも移管することにも合意ずみで、具体的な協議を開始している。

 早期実用化を目指し、塩野義はフィリピンなど東南アジアの複数の国でもグローバルP3を計画中だ。最終的にベトナムを含めて5万例規模での臨床試験を展開する考え。ワクチンの供給が十分ではない国・地域が多く存在するなか、グローベルヘルスへの貢献を見据え、P3を進める。

 このほか、塩野義では新型コロナワクチンの新たな評価法である既承認ワクチンを対照とした中和抗体価比較試験も準備し、年明け1月のスタートを見込む。現在、進行中の国内P2/3などの結果と合わせ、国内承認申請に向け、厚生労働省などと協議していく。

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