独キュアバックは約4万人を登録した新型コロナウイルスワクチンの大規模臨床試験で、発症予防効果を示す有効率が47%にとどまったと発表した。高齢者や一部の変異株に対する効果が低かった。同社は最終評価を行ったうえで薬事申請などを判断する。米ファイザー/独ビオンテック、米モデルナと同じメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンで、有効率90%以上を記録した先行2剤と同様の効果が期待されていた。

 提携先の独バイエルと共同実施した後期第2/3相臨床試験で、中南米と欧州で約4万人を組み入れた。2回目接種から2週間後以降の発症例を解析した結果、発症予防の有効率は47%となった。若年層には有効だが、60歳以上に対する効果が認められなかった。発症例のほとんどが変異株の感染例で、オリジナル株は1例のみだった。キュアバックは変異株と接種年齢で効果に差が出たと分析している。最終解析を行ったうえで今後の開発方針を決める。

 同社のワクチンはmRNAベースワクチン。臨床試験で有効率95%前後を記録したファイザーやモデルナ製と同様の効果が期待されていたが、タイプが同じでも効果は異なる可能性が示された。開発中止となった場合、他社のワクチン製造などを支援する意向も示している。

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