英グラクソ・スミスクライン（ＧＳＫ）は、新型コロナウイルスに対するワクチンのアジュバント（免疫増強剤）を最大１０億本分生産することを発表した。先ごろ提携を発表した仏サノフィなど、他社が開発するワクチン向けに供給する。ＧＳＫはパンデミック終息に向けて複数のワクチンが大量に必要と考えており、アジュバント技術で短期間の大量供給に貢献する。
ＧＳＫはすでに、新型コロナワクチンを開発する各社にアジュバントを提供する提携を発表している。サノフィとの共同開発のほか、中国企業や官民連携パートナーシップの感染症流行対策イノベーション連合（ＣＥＰＩ）などにもアジュバント技術を提供する。ほかにも交渉中の企業があり、提携先はさらに増える可能性があるという。北米や欧州の工場でアジュバントの増産対応を進め、来年には最大１０億本分のアジュバントを供給する。
アジュバントは、ワクチンの効果を増強するための補助剤。ワクチン１本の投与量が少なくすむため、短期間でより多くのワクチンを供給できる。
