米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、新型コロナウイルスワクチンを追加接種するブースター接種の臨床試験で、初回接種より抗体価が上昇することを確認したと発表した。1回接種用ワクチンとして開発されたが、2回接種すると予防効果が高まる可能性が示された。米国では来月、ブースター接種が始まる見通しで、J&J製も対象になるよう手続きを進める。

 J&J製を1回接種後、8カ月経過した人を対象に2回目を接種する治験を実施した。速報値では、コロナウイルスのスパイクたんぱく質に結合する抗体の量が初回接種後1カ月の時点より9倍に増えた。このデータを欧米の薬事当局などに提出し、ブースター接種の薬事手続きを協議する。

 米国では、米ファイザー、米モデルナ製ワクチンの一般向けブースター接種が来月後半から始まる見込み。ファイザーは25日、ブースター接種の申請手続きを今週中にも完了すると発表した。試験データで有効性が認められれば、J&J製も対象になる可能性が高い。

 日本でもブースター接種の準備は始まっている。菅義偉首相は25日の会見で、「来年、3回目を打てるよう、ファイザーをはじめとしたワクチンは確保している」と述べた。ファイザーとは1億2000万回分の追加供給を前提に交渉中で、ブースター接種の薬事申請も協議している。J&J製は5月にワクチン自体の製造販売承認が申請されている。

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