大阪大学発のベンチャーKOTAIバイオテクノロジーズ(大阪府吹田市)は29日、塩野義製薬とコロナウイルスワクチンの抗原デザインに関する共同研究契約を締結したと発表した。重症急性呼吸器症候群(SARS)などコロナウイルス全般に有効な抗原を使ったユニバーサル・ワクチンの実用化を目指す。

 両社は昨年5月から新型コロナ患者から採取した免疫細胞を解析する共同研究を行ってきた。この研究で得た知見を応用して新たなコロナワクチンの開発に挑戦する。SARSや今回の新型コロナウイルス、今後出てくる変異株や新たなコロナウイルスなどにも有効なユニバーサルワクチンを狙う。

 まずKOTAIがワクチンの抗原を設計し、抗原により誘導される免疫応答を解析する。この抗原情報を基に塩野義がワクチン抗原を作製し、中和活性などを評価する。KOTAIの研究費は塩野義が負担。製品化など開発の進捗に応じた成功報酬、実施料もKOTAIに支払われる。

 KOTAIは大阪大学免疫学フロンティア研究センターでの研究成果を基に、2016年に設立したベンチャー。

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