現在の生活の自由度はどの程度だろうか。博報堂生活総合研究所が新型コロナウイルスに関する生活者調査を行った。実施時期は4月2~6日と緊急事態宣言前だが、首都圏・名古屋・阪神圏の1500名に聞いたところ、普段通りを100点とすると平均で54・3点だった▼年代別にみると、会社を退職した人が多い60代が最も高く57・6点。他の年代も押し並べて50点台となった。自由度は以前に比べて半分程度になったということか▼意識や行動についての質問では「経済の停滞に不安を感じる」が91・2%と、「自分や家族の健康に不安を感じる」の78・2%などを上回って最も高い数値となった。連日のように“最悪”と形容される統計や予測が報じられれば無理もないと思える▼時間の経過につれて人々の意識は変わっていく。不自由な生活に慣れていくのか。それとも飽きて自粛が緩んでいくのか。調査は継続される予定で、次はどのような結果になるのか気になるところだ▼家にいる時間が大幅に増えて約2週間が経つ。通勤がなくなり会社にいることもなくなった。この状態はひょっとしたらリタイアした後の生活と同じではないか。歳を取れば不要不急の外出も少なくなるだろう。将来の「巣ごもり」をいかに充実させるか。時間が余っていると、そんなことを考えたりする。(20・4・24)

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