首都圏の1都3県に発令された緊急事態宣言は再び広がりつつある。これを受け化学各社も出社率を3割以下に引き下げるなど即座に対応策を打ち出した。インフラもある程度整備されたため今回のテレワーク拡大はスムーズに対応できているようだが、通勤電車の人の数は気になる▼本社機能や営業部門などはテレワークに抵抗感がなくなった一方、サプライチェーンの要でもある工場などでは、入場制限を厳しくするなどで感染対策を徹底する。とくに半導体関連や自動車分野を用途に持つ工場はおう盛な需要に対応しながら、宣言の趣旨に沿って最大限の対策を試みる▼研究部門も対応に苦慮するが、企業の研究所は工場と同様に郊外や首都圏以外が多く、もともと自動車通勤者が多いことは3密回避に有利。リモートでこなせる部門もあるが、やはり研究に必要な装置・設備などは欠かせないようだ。いまだにリモート授業が多い大学では学内の研究室での活動も制限されている状況という▼研究開発は企業が持続成長を図る上での核であり、産学共同テーマも目白押し。そのなかで大学の研究室における活動の停滞が懸念され、研究向けが多い試薬メーカーにも影響が及んでいるようだ。ウィズコロナ・アフターコロナ時代の研究開発は、産学ともに頭を抱えさせられる。(21・1・14)

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