アセトアミノフェンの処方は7月だけで400万人を突破-。医療情報分析サービスを手がけるインテージリアルワールド(東京都千代田区)は、同社独自データベース(DB)の解析により、7月から解熱鎮痛剤「アセトアミノフェン」の処方量が増加していることを数字で示した。新型コロナウイルス感染症患者の激増が理由で、処方量が前月比で倍以上となった年代もある。

 同社の統合医療DB「クロス・ファクト」所収のレセプトデータを使い、今回の感染拡大が与えた影響を調べた。その結果、7月に感染者激増に合わせるかたちでアセトアミノフェンも伸び、同月だけで400万人超の患者に処方されたことが分かった。6月比では約6割増となる計算で、同社によると、2020年1月以降、最も高い水準での処方量だという。

 一方、年代別にみると、60歳未満での伸びが顕著だった。最も増えたのが「5歳以上10歳未満」。6月に比べて2倍強となっている。「20歳以上30歳未満」でも倍増した。各年代とも6月を上回る水準の処方量となっており、新型コロナウイルス感染症が広く流行していることを反映した格好だ。

 同社では同じ解熱鎮痛剤である「ロキソプロフェン」「イブプロフェン」の処方量も調べたが、両製品ともに大きな変動はなかった。アセトアミノフェンの処方だけが大幅に伸びていることになるが、同社担当者は、「コロナといえばアセトアミノフェンという印象を持つ人が多いためではないか」と分析している。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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