厚生労働省は27日、新型コロナウイルス治療薬として英グラクソ・スミスクライン(GSK)が申請していた点滴薬「ソトロビマブ」を特例承認した。重症化のリスクが高く、酸素の投与が必要ない軽症や中等症患者が対象で、軽症者向け治療薬では2つ目となる。まず対象を入院患者に限定し、使用実績を踏まえ、外来や往診での投与へと広げていく方針。

 ソトロビマブはGSKと米ヴィル・バイオテクノロジーが開発したモノクローナル抗体。海外で実施した治験では入院や死亡リスクを79%減らす効果が確認され、米国では今年5月に米国で緊急使用許可(EUA)を得ている。変異が起こりにくい部位に結合するため、変異株にも効果を持つとされる。

 GSKは6日、ソトロビマブの承認申請を行い、特例承認の適用を希望していた。27日の薬事・食品衛生審議会医薬品第2部会で承認が了承されたことを受け、厚労省が同日付で特例承認した。

 コロナ軽症者向け治療薬では、中外製薬の抗体カクテル療法「ロナプリーブ」が7月に承認されている。ソトロビマブの承認で治療薬の選択肢と供給量が増え、一層の重症化予防につながることが期待される。

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