1月いっぱいで閉店した近所のコンビニエンスストアの店頭には、お客さんへの長年にわたる感謝の意が記されていた。休日や平日問わず、何度も利用させてもらった。こう言うのは何だが、最寄り駅からの帰宅途中には他に何件かコンビニがあり、そんなには不便に感じることはないだろう▼銀行が閉まっても、コピーが必要になっても、何よりトイレも貸してくれるという便利なサービスは、利用者にとっては多少の料金を上乗せしても非常に有り難い。ただ、ここまで過当競争に陥ったコンビニ業界は現在、人手不足や働き方改革から24時間営業を見直す動きが広がっている▼その昔、日本にコンビニが誕生した時は確かに画期的だっただろうが、その頃は夜遅くには閉まり、24時間営業店が誕生したのは1970年代半ばのことだ。それでも他の小売店や飲食店が閉まった後、深夜近くまで営業していたお陰で助かったことが多かった▼生活パターンが変化すれば、いろんな分野で必要とされる形態も変わる。一方で社会の潮流も移り変わり、働く側一人ひとりへの尊重の度合いは確実に増している。これらを両立できる企業が本当の勝ち組になれるのかも知れない。店仕舞いしたコンビニの店舗跡には他のコンビニが入るケースを何度か見た。果たして今度はどうなることか。(20・2・6)

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