シスメックスは、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクを調べる研究受託測定サービスを始めた。重症肺炎などの原因とされる免疫制御たんぱく質「サイトカイン」の測定は、治療効果のモニタリングにも活用できる。同社はまずは研究目的で医療機関や製薬会社から受託。検査法確立や創薬研究に役立ててもらう。

 同社は化学発光酵素免疫測定法を用い、神戸市内の研究拠点で受託する。顧客から血液検体を送付してもらい、約2週間後に解析データを提出できる。1日当たり最大1000テストを受託できるという。

 新型コロナはサイトカインが過剰に分泌されるサイトカインストームが重症化に関与するケースが多い。受託サービスでは関連性の指摘されている「IL-6」「IL-10」「IL-18」「VEGF-A」「CXCL9」「CCL3」の6項目のサイトカインを調べる。項目は順次増やす予定。

 研究機関や大学、医療機関、製薬会社の依頼を想定。同社では、サイトカイン測定で重症化リスクを確認できれば、医療現場で治療効果を経過観察できたり、ワクチンや治療薬など創薬研究にも応用できるとみている。

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