シミックホールディングス(HD)は1日、山梨県と新型コロナウイルスワクチン接種に関する包括連携協定を締結したと発表した。シミックの電子お薬手帳「harmo(ハルモ)」を活用、県民へのワクチン接種を効率よく実施できる体制を整えるのが狙いだ。複数回接種が必要なワクチンもあるなか、正しい間隔で受けられるように管理し、打ち間違いなどのリスク低減につなげる。

 (1)接種体制の構築支援(2)接種会場の円滑な運営サポート(3)デジタル情報管理システム導入を含めた長期的な副反応フォローアップ-の3つを軸に相互連携を進める。デジタル情報管理システムにはハルモを用いる。これによって接種したワクチンの種類、ロット、日時などの情報をクラウド上で管理できるようになり、不良品や副反応が生じた際の追跡も容易になる。

 同日、長崎幸太郎知事と中村和男最高経営責任者(CEO)は山梨県庁で協定書を交わし、会見した。長崎知事は「専門ノウハウ、知識があるところと組めることへの期待は大きい」としたうえで、今回の取り組みを「全国のモデルにしたい」と語った。中村CEOも「モデルの立ち上げが大切」と指摘し、他地域にも広げていく考えを示した。

 今回の取り組みで重要な役割を担うハルモは、シミックがソニーから買収したシステム。専用ICカード、アプリを搭載したスマートフォンなどを端末にタッチするだけでこれまで処方された医薬品の履歴などを記録・管理することができる。その特徴を生かし、同社は予防接種管理システムへの応用にも取り組んでおり、昨年6月から実証実験を進めている。

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